1983年ヤクルトホール　　在日米国大使館後援

内容：ルイジジャズダンスのレパートリーを上演

上演場所：東京（マリカ）、横浜（池谷フジエ）、土浦（山口恵子）　　　　　　　　　（　）内は制作責任者

写真撮影：池上直哉（日本舞台写真家協会（公社）日本写真家協会会員）

フランシス写真　２　　　　フランシス公演群舞

『６２丁目のあなたへ』

初演：１９８２年１２月『レッツ郷ジャズダンス』（東京１２チャンネル）

収録：渋谷公会堂（記憶が曖昧）

使用曲：バリーマニロー

１９８３年に舞台版として再演する際、後半を付け足した。

12チャンネルの時は、三浦大紀さんが入っていたけれど、その役を、元モーリスベジャールのダンサーだった小池啓二さんにやっていただいた。

平多正於先生のところの先輩の小池啓二さんと二十数年ぶりでお目にかかれたのは、山口恵子先生のお陰。

フランシスがこれを３部作にして、２部目は、ルイジの当時の新作『エポールマン』を全編入れると提案。

『エポールマン』は、文字通りエポールマン（肩）の動きから始まる、ジャズマンボで展開し、その後、これでもか、これでもかと次々にいろいろなパターンがめくるめく出てくるルイジのジャズダンスの総集編とも言える、集大成で、初演は１９８２年の冬。

ウォードルフの会場で、ルイジ、チタリヴェラ、トミーチューン（エスコートはトゥイギー）が受賞した時に、フランシスローチとアンドレアハンドラーによって踊られた。

アンディー（アンドレアのニックネーム）は、ルイジのミューズと言われた人。バレリーナだったが、怪我をして、治療のために訪れたルイジスタジオで見事に直し、そしてトップダンサーになった人。

ルイジのジャズダンス教則本のモデルを務めている。

そのような踊りを私ができるのだろうか。

この後援では、みんなオープニングと最後の『炎のランナー』の他、数曲出て踊っていたけれど、私は『６２丁目のあなたへ』に集中して、他の場面に出なかった。

『エポールマン』をフランシスと踊ったら、他の踊りはいらない。

みんながいるところで練習すると、みんなの目があったらので、フランシスは気を遣って、講習会やリハーサルが開始する前とか、リハーサル終了後真夜中までとか、人目につかない時間帯に私と二人の場面のリハーサルをしてくれた。

講習会の指導ネタを『エポールマン』にしてくれるなどして、私に練習をさせた。

企画制作者だった私は、ルイジスタイルダンスナンバー『シチュエイション』の構成者で、東京公演の責任者だったから、雑事に忙殺されていた。

忙しいのはなんでもなかったけれど、『エポールマン』を踊る時の他の出演者の目が一番怖かった。

「羨ましいと思われるなんて、素敵なことね」と思えるほど人間としても踊り手としても、ぜんぜんできていない当時の私は、アンディーのように上手く踊れることを目指すというより、なんとか最後までこの長い『エポールマン』を踊りきる、それしか考えていなかったから、ハービーハンコックが終わって、再びバリーマニローのメロディーが流れるとほっとした。

そちらは、自分がつくった踊りだから、目をつぶっても踊れる。

一見ルイジがつくったように見えるように構成されているけれど、ルリトミックはルイジより、もっと使っていた。

女性陣はいつものお仲間だったけれど、男性陣は、三浦大紀君の代わりに、伊藤アキラさんが入ったり、初演の時に出ていた若い男の生徒のところを、１年でルイジに限りなく近く踊れるようになっていた弟子の高橋直人が入るなど、多少の変更をした。

ルイジのスタイルは、バレエやモダンの人ではできなくて、タップをしたことのあるルイジジャズダンスを学んだ人でないと踊れない。

２０１４年に内部被曝検査センターの所長になった独創的なダンススタイルの新納聡さんは、私の踊りにはいつもどこかに入っていた。

この頃のことを書こうとしたら、一冊の本になってしまう。

私は当時、フランシス、直人君と一緒に合宿生活を送っていた。

今なら考えられないことだけれど、洗濯機は生活臭があって、かっこ悪いから、マンションの中に置かなくて、そこには、大きなガラスケースを置き、セントポーリアの栽培スペースにしていた。８０年代に出した本の著者紹介のところを読むと、「好きな物は、茶碗蒸しとウサギとセントポーリア」などと馬鹿なことが書いてある。

私の変人生活スタイルのために、直人君は三人分の洗濯物を持って、代々木公園付近のコインランドリーに行かなければならなかった。よくなってくれたことに、今更ながら感謝する。

当時の私は、ウサギの散歩に便利だから、代々木公園の横のマンションに住んでいた。

その前にいた渋谷区本町では、代々木公園から離れすぎていたから、引っ越したのだった。

８０年代は、誰もが人生を謳歌していて、消費税もなく、日本が黄金時代を楽しんで、日本人は気軽にヨーロッパへショッピングに出かけていた。

すごい時代だった。

みんながお金持ちだった。

入管法が厳しい時代だったから、安い労働力もまったく入って来ていなかった。

人々がそれなりの収入を得て、素敵な生活をしていた。

踊りのことからどんどん話題がそれて、社会派になってきたが、一つ付け加えておきたい。

私はmarikadance.comというドメインをかなり昔から取って使っていた。

ところが、ひょんなことから、社会のことに頭を突っ込むようになり、このサイトをつくった頃から、生活が一変した。

ダンススタジオの前に夜中に車が止まり、警笛を何十回も鳴らす（近所の人が警察に通報して、警官に来てもらったと翌日聞いた）、

ダンススタジオの表札が剥がされ、折られる、外壁に貼ってあった小沢さんのポスターがビリビリに破られて、植え込みに捨てられた、

山本太郎連絡所と書かれた立て看板が外壁から外されて駐輪場に投げ捨てられた、

まあ、これらのことは、器物破損の物損なので、警察官にはそのたびに来て貰ったけれど、敵はもっとすごいことを思いついたようだ。

私のダンス関係ＨＰのドメインを乗っ取って、海外ポルノサイトにしてしまった。

いやあ、おもしろいことをする。

私のダンスのサイトだと思って来た人は、特に男の人は、びっくりするというよりは、喜んでしまうのではないかな。

リンクすると、自動的に過激なポルノサイトへ行ってしまうので、あれ、マリカという人は、やはりお水の関係者だったのかと思われても仕方ないのだけれど、ドメインを乗っ取るというのは、そういうことなのかとわかった。

万一、私のＨＰでクリックしたら予期せぬ変なサイトへ飛んでしまったという人は、十分に楽しんでから、どこの頁のリンクがまだ、直っていませんよと、当方にご一報願えませんか。助かります。

サイト管理者からのお願いでした。

ということで、『６２丁目のあなたへ』という題名で書き始めたのに、まったく別の内容で終了してしまいましたことを、お許し下さい。

私の名誉にかけて、あのようなサイトをつくったのは、私とは無関係なのですよということを、説明したかったのです。

マリカ

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解説：

『ミッション・インパッシブル』フランシス+群舞：栗田真理子、黒江乃理子、千島一代、ヒロコ

 『マジック・バード』群舞：大塚洋子、栗田真理子、福井亜紀、千島一代、山田美和子、保延さおり、武藤さゆり 

オープニング：数々のルイジ・エクササイズを組み合わせ、そこから『ミッション・インパッシブル』へとつながる

 キャリー・ズィヴェット（元ルイジの弟子、父親が在日米国大使館勤務）がルイジ風の踊り『愛の代償』を振付。

『いい女のダンス・コンサート』で初演した。１９８２年に『ルイジ・オン・ステージ』の楽屋に来てくれたことで、翌年講師として呼び、

ヘンリー・マイズナー・メソードなどを指導してもらった。なんというタイミング。

ルイジにはすごい弟子が世界の各地にいるものだと、あらためて感心。