この時は、ニューヨークからギリシアへ行ったのか、それとも東京から行ったのか。
多分、ニューヨークから行ったのだと思う。
一般的なアテネではなくて、そこと対立したスパルタを見ておいたことが、後に、オスマン帝国を見る時の基礎知識になったから、よかった。
あと、このギリシア旅行で良かったと思うことは、アテネ、ミコノス、サントリーニのような当たり前の場所へのツアーではなくて、自分たちでギリシア半島最南端のマニ半島まで行ったことで、交際観光地ではない、疲弊したギリシアの寒村を見られたことでも大変勉強になった。
牧畜業をやってしまったところというのは、土地の疲弊がなんと激しいのだろう。
恵まれた大地に住み続けている縄文人としては、気の毒で見ていられない土地だと思う。
牧畜をしたのは、農業ができない疲弊した土地だからだ。
この旅行の間、1日に二度羊の肉のバーベキューを食べるという無理をしたことは、特記しておきたい。
今、そんなことやったら、身体をおかしくしていただろう。
サントリーニ島から小舟で、海中温泉に行ったことも、地中海の底で今尚繰り広られている海底火山活動を目の当たりにできて、地中海文明の滅亡の一端を見られたことで、いろいろなことが腑に落ちた。
その後、ドイツの21箇所の温泉に行くという無謀な旅をした時でも、最初に入った温泉が、ギリシアの海底火山温泉だったということは、その後の私の温泉行脚に素晴らしい1ページ目を刻んでくれたと思う。
ともかく、このような旅を計画したジェイムズに感謝。
ただし、帰国したら、とんでもないことになっていた。
スイスから恐ろしい電報が届いていたのだ。